マンション大規模修繕工事の失敗しない進め方

マンションの大規模修繕工事とは、経年劣化による建物の損傷等を足場やゴンドラ等を設置して修繕する大規模な工事です。十数年おきに実施されますが、基本的にマンション分譲時に策定された長期修繕計画を基に進められます。

近年は、インターネット・SNS等の普及により、少し調べれば様々な情報が検索できます。しかしながら、当社が本格的にリニューアル事業を始めた1994年は、アメリカでヤフーやアマゾン等が誕生し、1995年にはマイクロソフトのWindows95という画期的なOSが発売!
日本では電話回線を利用したアナログのダイヤルアップ接続からやっとISDNというデジタル回線が普及し始めた頃です。修繕設計・監理のノウハウも無く、手探りの状態でした💦

それはさておき、情報過多なご時世ではございますが、そんなアナログ時代から大規模修繕工事に携わっている設計事務所として、一般的な内容にはなりますが「大規模修繕工事の進め方」をご紹介したいと思います。

マンション大規模修繕工事の失敗しない進め方

まず初めに知っていただきたいのは「発注方式」についてです。

1.設計監理方式(図中A②&C)

2.責任施工方式(図中A①&B)

3.コンストラクション・マネジメント方式

3.については、CM方式と言いますが、全体の業務を統括するコンストラクションマネジャーを立てて進める方式です。建物調査診断や設計等の実務は行いません。
管理組合員に専門家がいる場合等は組合員がその役割を担うことも出来ますが、その組合員が全責任を負うことになってしまうので現実的ではありません。通常は外部に委託します。

2.は施工会社が全ての業務を一貫して請け負います。1.は工事と設計業務を切り離し、工事は施工会社、設計・工事監理は設計事務所等の設計コンサルタントが請け負います。
各々メリットとデメリットがありますが、中規模以上のマンションは、改修詳細設計図による設計監理方式 (図中C②) をお勧めします。
小規模マンション等で資金に余裕がない場合等は、公募による責任施工方式(図中B②)でも良いかもしれませんが、工事見積りの精査と工事監理だけは、設計コンサル等の第三者に依頼することをお勧めします。(当社グン企画設計でも対応しておりますのでご依頼ください😉)